|
カウンセリングを受ける
| |
海外での生活は、ことばや文化の違いから、時には自分ではどうすることもできないぐらいにストレスが大きくなったり、夫婦関係や家族同士の関係に支障をひきおこしてしまう事があります。また、海外に出る前に潜伏していた家族や自分の問題が、新しい環境の中で表面化してきたり、深刻化してしまうケースも良く見られます。
子どものこと、夫婦生活、日本人社会のなかでの人間関係、外国人である夫の両親との関係、ひとりで落ち込んでしまう自分がいるなど、悩みを抱えない人の方が少なくないかもしれません。
誰かに相談したくても、狭い日本人社会の中だと、そう簡単には周りに相談できないという人はたくさんいます。日本にいる家族や友達に話を聞いてもらいたくても、せっかくの海外生活なのに不満があるだなんて贅沢、自分で選んだ人生なのだから自分で責任を持つべき、いろいろ努力できる事はあるはず、とまったく理解してもらえず、かえって打ちのめされてしまう人もいます。
|
自分にとって問題があまりにも大きすぎてどうすることもできない、そうと思ったら、心理専門家によるカウンセリングが役に立ちます。日本では、カウンセリングにかかることに抵抗があるかもしれませんが、海外では、病気や怪我をしたとき、医者に手当てをしてもらうのと同じように、ごく日常的に利用するのが一般的です。
とはいっても、いざカウンセリングにかかろうと思っても、いろいろな心配が出てくるのではないでしょうか?
「どうやってカウンセラーを探すの?」
「どのカウンセラーが信頼できて良い人なのかわからない」
「カウンセリングは具体的にどう進められるの?」
「自分のプライバシーが、人づてにどこからか伝わってしまうのが怖い」
「カウンセリングは本当に役立つの?」
「費用はどのぐらいなの?」
「夫にカウンセリングにかかっているとバレたら、あとが心配」
カウンセリングは、あなたが想像するほど、大変な事でも難しい事でも怖い事でもありません。ここでは、はじめてカウンセリングにかかりたいと思っている方に、カウンセラーの探し方や、システム、予約のとり方、実際のカウンセリングなどについて簡単にご紹介します。
|
日本人が多い都会や地域では、日本人向けの新聞や雑誌に日本語のできるカウンセラーの広告や連絡先が掲載されている事があります。
| |  |
インターネットなら、検索で、「カウンセリング」 と、地域名を入れると、カウンセラーのホームページがみつかるかもしれません。ホームページには、カウンセラーの経歴や価値観、方針が書かれているので、とても参考になります。
口コミで探すという方法もあります。勤め先の会社によっては、保険の関係でカウンセラーのリストをもっている事があります。
カウンセラーが、講習会を開くこともあります。そんなときに参加すれば、自分の考え方と合っているか確認できます。
日本人のカウンセラーにかかりたいけれど、近くにいないという場合、インターネットを使って相談できるカウンセラーもいます。
国家レベルの正式な資格を持っているか?
良いカウンセラーかどうか見極めるには、まず、カウンセラーや心理療法士として、その国の基準を満たしているか確認します。国の健康保険や会社の保険、BlueCross and/or BlueShield 、Great-Westといった民間の保険が使えるかを目安にしても良いでしょう。
アメリカでは、精神障害を有する病理水準の高い患者(クライエント)を取り扱うクリニカル サイコロジストと、病理性のあまりない心理的な悩みや人間関係の問題を取り扱うカウンセリング サイコロジストがいます。クリニカル サイコロジストは、博士号(PH.D)がないとなれません。カウンセリング サイコロジストは、大学院を卒業した修士取得者でもなる事ができます。
カナダでは、Registered Clinical Counsellor, Registered Social Worker, Registered Psychologist, Registered Art Therapist. のように、政府機関に登録しているのが、正式な資格保持者です。
| |
以下のサイトでも確認する事ができます。
http://therapists.psychologytoday.com/rms/prof_search.php
http://www.marriagefriendlytherapists.com/
|
注意すべきは、サイコセラピストやコンサルタントという名称です。これは、無資格でも名乗る事ができます。また、結婚セラピストと言いながら、結婚カウンセリングに関する講座をひとつも受講しないまま相談に応じている実力不足のカウンセラーがたくさんいるので注意が必要です。
はじめてのカウンセラー探しだと、何を基準に選んでよいか迷ってしまうかもしれません。
女性のカウンセラーのほうがリラックスして相談できそう、自分よりも年齢が上のほうがよい、子育ての経験があるなど、希望事項を書き出しておくと候補者を絞りやすくなります。自宅や職場からの通いやすさも大切なポイントです。
これは、結婚カウンセラーについてですが、結婚カウンセリング専門の Dr. William J. Dohertyは、悪いカウンセラーに出会えば、結婚が破局を迎える確率が高くなると警告しています。どんなカウンセラーが不適かというと、トレーニング不足で実力がない、中立的立場を取る事ができず、結婚についての正しい価値観を自ら持っていない、その結婚を病的だと一方的に決め付ける、批判的な態度を取ると、手厳しい警告をしています。
◆ 実力がない
多くのカウンセラーは、夫婦同席のカウンセリングより、妻だけ、あるいは夫だけのカウンセリングをします。これは、結婚カウンセリングにおいては夫婦同席のカウンセリングが最も重要であるにもかかわらず、険悪な状態の夫婦を同時にカウンセリングする事は大変に難しいため、避けているためです。
夫婦同席のカウンセリングを行うためには、十分な知識と技術、さらにトレーニングが必要です。それを満たすためには、いくつもの講習会に参加しなければなりません。ですが、実際に、そういったトレーニングを受けているカウンセラーはほんのわずかしかいません。夫婦を同席させてのカウンセリングができないカウンセラーは、はっきり言って実力不足です。
◆ 中立的立場を取らない
問題ある結婚カウンセラーは、中立的立場をとることができません。中立だといいつつ、実は、自己中心的な側についてしまうようなカウンセラーにかかってしまうと、問題解決どころか、結婚を破綻させてしまう事にもなりかねません。
「自分達にとって何が必要なのか夫婦に決めさせるのを私は手伝っている」というカウンセラーがいます。中立のようですが、結婚の約束事(夫婦は道徳心を守る義務と責任を負う)を避けて通っています。これでは、カウンセラー自体の価値観のありかたが問われます。この場合、もっとご自分の価値観を理解してくれるカウンセラーを探しましょう。
◆ 夫婦関係を病的扱いする
カウンセラーによっては、夫婦が病的な関係にあると主張し、そういうケースに仕立ててしまうことがあります。
「なんでいつまでも結婚しているんですか? なぜ被害者のままでい続けるのですか?」
などと言いながら、夫婦に離婚を奨励しています。こんなカウンセラーは、妻や夫に虐待を受けていると思わせ、
「専門家がこの結婚はこれでおしまいだと言っているのだから、そうすべきなんだ」
という結論を二人に出させてしまうのです。
◆ 批判的
カウンセラーが、夫婦に「あなた方はこうするべきだ」と言うのは、米国結婚家族協会の倫理規定に反します。それなのに、たくさんのセラピストが倫理規定に反する行為をしているのです。そんなセラピストは、「たぶんこの結婚は終わらせるべきでしょう」とか、「もしも正気でいたいなら、出て行くべきです」と言ったりします。批判的なセラピストは、夫婦間の関係や家族との関係を断ち切らせようと駆り立ててしまうのです。
| 良いカウンセラーかをチャックするためのカウンセラーへの質問リスト |
Dr. William J. Dohertyは、結婚カウンセラーを探すとき、次の質問をカウンセラーに直接ぶつけて、その答えから、良いカウンセラーかどうかを判断すると良いと提案しています。
1) Are you self taught, workshop-trained or college educated in working with couples?
夫婦へのカウンセリングは、自分で学んだり、いろいろな講習会に参加したりして身につけましたか? それとも大学で学びましたか?
悪い回答 「学校で勉強しました」
良い回答 「自分で学んだり、いろいろな講習会を通して身につけました。」
カウンセラーは、今回のカウンセリングプログラムが、結婚を危機から救うと確信をもっています。
2 ) What is your attitude about saving a troubled marriage vs. helping a couple break up?
問題をかかえた結婚を救うのがカウンリングという考え方に対し、離婚を手伝うカウンセリングもあるという考え方がありますが、あなたはどんな態度をとりますか?
悪い回答 「わたしが決める事ではありません。ご夫婦自らが決めるべき事です。
(はっきりしない答え方で、印象が良くない。)
良い回答 「お二人が一緒にやっていける方法を探すのを手伝ったり、問題を理解したり乗り越えるのを助けます。」
3 ) Where do you stand when one spouse wants to stay and the other wants a divorce?
片方が結婚し続けたがっているのに、もう片方が離婚を希望しているとき、どの立場をとりますか?
悪い回答 「それぞれの気持ちを相手が理解できるようにします。」
(焦点が夫婦ではなく、ひとりひとりに当たってしまっています。)
良い回答 「夫婦によくありがちなことです。お二人を助ける前向きな方法がいくつかあります。」
4 ) What percentage of your practice involves both husband and wife?
夫婦いっしょのカウンセリングは、どのぐらいの割合ですか?
悪い回答 「ご夫婦は、個別にカウンセリングした方がうまくいきます」
良い回答。 「カウンセリングは夫婦ご一緒に受けていただいています。私といっしょにお二人で
カウンセリングを受けていただき、私のやり方に沿っていってくだされば、成功率は
最も高くなるというのが、これまでの実績でわかっています。」
5 ) Of all the couples you treat, what percentage stay married and have a better marriage in the end?
これまでにあなたからカウンセリングを受けてきたご夫婦ですが、結婚生活を持続させ最終的に改善されたケースは、割合的にどのぐらいですか?
悪い回答 「100%です」 あるいは 「そういった情報は、記録としてとっておいてありません」
| |
良い回答 「70%から80%が幸せな結婚生活をその後送っています。あとのご夫婦は、途中であきらめてしまい、カウンセリングを終了させようとしませんでした。」
データ的には、成功率が70%を下回るカウンセラーは、標準を下回っていると報告されています。 | |
カウンセリングの費用は、カウンセラーによってさまざまです。時間は30分単位、1時間単位が通常です。1時間あたり1〜2万円、なかには5万円というカウンセラーもいます。
保険によっては、博士号や修士号、国家資格をもつ専門家によるカウンセリングに対して、費用の一部を支払うものもあります。これは、病理性ではない、たとえば結婚や子供の不登校、職場の人間関係のように、生活の中の困った事を相談するカウンセリングも含まれます。
費用を抑える為、低料金のカウンセリングを選んだ結果、実力のないカウンセラーにあたってしまい、相談したらカウンセリングを受ける前よりも悪い事態に陥ってしまったという事もありえるので、カウンセラー選びには気をつけましょう。
カウンセリングの回数は、1回ですむものもあれば、長期に渡る事もあります。夫婦や子どもと一緒のカウンセリングになると、回数が増えることから、料金も高くなってきます。カウンセリングの頻度は、ケースバイケースです。最初は、1〜2週間に一度というケースが多そうです。
カウンセリング料金は安くない事から、続けて受けたかったのに、費用的に負担が重すぎて途中で断念せざる場合も出てくるかもしれません。
いろいろ心配はあるかもしれませんが、現状の差し迫った問題を何とかするため、まずは一度はカウンセリングを受けてみる、そう決める事は、あなたの将来にとってとても重要な事です。
カウンセラーを決めたら、予約を取ります。この時点で、時間当たりの金額や、保険が使えるか、支払方法は現金なのか、カードが使えるかを確認します。インターネットでの予約なら、必要な事や質問事項を時間をかけて書くことができますし、返事がメールでくれば、じっくり読めるので便利です。
電話での予約ですが、カウンセラーは、大きなオフィスをかまえているわけではなく、個人で仕事をしていることから、受付係りはほとんど置いていません。カウンセリング中は、電話を受けることができないため留守電にしている場合が多いようです。ですので、あらかじめ話す内容を紙に書き出しておいておくと、それを読み上げるだけですみ、英語があまりできなくても安心です。
このときに、もしも不都合がなければ、今回相談したいのは、例えば、子どものこと、夫婦の事、人間関係のこと、自分のことで相談があるなど、相談したいことのトピックをひとこと伝えておくと良いでしょう。また上記の良いカウンセラーの探し方で紹介したカウンセラーに対する質問をしても良いでしょう。
| |
カウンセリングの初日は、次の確認事項があります。
・カウンセリングの費用
・カウンセリングの進め方についての説明 |
そのカウンセラーとカウンセリングを進めることが決まったら、カウンセリング中の会話については、いっさい口外しないという約束の契約書を作ってくれます。
カウンセリングの進め方は、カウンセラーによって違ってきます。カウンセラーの説明に沿って話をしていけば良いでしょう。
最後に、もしも次回もカウンセリングを受けたい場合には、その場で予約をするのか、後で連絡して予約するかの確認があります。
カウンセリングを受けているときに、このカウンセラーは自分が望んでいたものとは違う、カウンセラーとの相性や価値観が合わないような気がする、と思ったら、次回、続けてカウンセリングを受ける必要はありません。希望に合ったカウンセラーが見つかるまで、探し続けましょう。
夫や妻、あるいは子どもに問題があると思える場合、初日に連れて行く必要があるのか、当人にまずは行ってもらいたいのに、その本人が行きたがらなかったり行くのを拒否しているなどと悩むかもしれません。そんなときは、率直にカウンセラーに相談してみましょう。相談者当人に負担のない方向で提案をしてくれるはずです。
カウンセリングがどこまで効果を発揮するかですが、たとえば結婚の場合、カウンセリングを受けたカップルの半分は、離婚しているようです。
離婚する結果になってしまうのなら、わざわざカウンセリングを受ける必要はないという考え方もあります。ですが、混乱した心や思考を整理整とんし、過去に決別をつけ、未来に向かってあらたな第一歩を踏み出すためには、受けた傷をいやし、勇気を取り戻し、そして前へ進むエネルギーを充電する事が必要です。ひとりで苦しみ続けるよりも、第三者に入ってもらい、心の整理を手伝ってもらったり、自信を失いかけた自分に進むべき正しい方向を示してもらうことは、とても有意義な事です。
ひとりぼっちで悩むより、プロの知識と技術に助けを求めれば、解決への時間と距離が縮まります。
カウンセリングは、困難な山を登るときのガイド役のようなもの。実際は、自分で登るしかないのですが、ガイドの手助けを借りれば、孤立する事もなく、冷静に自分を見つめなおす事もできるようになります。
カウンセリングでは、もしも問題となっている相手がいるのであれば、その人に対しどういった話の仕方をしたら良いかとか、日常、どんなことに気をつけたら良いか、具体的な例を出してアドバイスしてくれます。問題となっている人や子どもが変わってくれれば、事は簡単なのですが、そうでない場合がほとんどです。他力本願よりも自分の心構えを変える努力をした方が、実際的な現状の打開策になりえます。
自分に自信がない人に対しては、自信を高める方法や、自分を大切にする方法をやはり具体的に提案してくれます。
→心のケア
Special thanks for http://bluedaisy.rdy.jp/
|