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アメリカに滞在されて何年になりますか?ミネソタに住むことになったきっかけはなんですか?
アメリカには1996年の夏に来ましたので、12年になります。オハイオの大学で知り合った主人が先に卒業してミネソタに就職したので、後を追いかける形で1998年に卒業してすぐミネソタに移りました。1998年8月に結婚して、ちょうど10年です。
ミネソタは、どんなところですか?
カナダとの国境にある州で、ワタシの住む町の緯度は北海道の稚内と同じ。冬はものすごく寒いです。
別名「10,000の湖の地」というほど湖が多く、内陸でありながら夏はウォータースポーツ、ボート、魚釣りなどを楽しむ人がたくさんいます。州の中心であるミネアポリス・セントポール(併せてツイン・シティーズと言います)は、大企業が軒を並べる産業都市です。全米最大の屋内ショッピングモール、モール・オブ・アメリカもここにあります。
一方で、郊外には自然が多く、あちこちに公園があり、福祉が充実しています。学校のレベルも高く、犯罪率も低く、美術館・博物館なども多く、子供を育てるにはもってこいの場所です。CNNの「"Best City to Live"(もっとも住みたい都市)」の1位にミネアポリス郊外のPlymouthという都市が選ばれました。
http://money.cnn.com/magazines/moneymag/bplive/2008/
この手のランキングは他にも色んな会社が色んな基準で行っていますが、ミネソタは常に上位にランキングされています。
2歳2ヶ月で自閉症の診断が、くだったとのことですが、ジョーイ君が他の子と違うと感じ始めたのは、いつ頃でしたか?それは、どんな部分でしたか?
ジョーイを育てていて「この子はちょっと違う」と感じたのは1歳半くらいだったと思います。他の子供たちと遊ぼうともせず、好きな本やオモチャに熱中して、名前を呼んでも気づかないようなところが気になりました。
また、1歳の頃は出来ていた指差し(興味のあるものを指差して教えてくれること)をいつの間にかしなくなり、出かけていた言葉(マミー、ダディーなど)が消えて、ただの唸り声に替わっていました。
公園などに連れて行っても、遊具には見向きもせず、ぐるぐると同じところを廻るだけでした。散歩に行っても、一人で勝手に好きなほうへ歩いていって、私が後ろからついてきているかを確認もしません。2歳になるころには、「この子は何か障害があるに違いない」と確信するようになっていました。
ジョーイ君が自閉症とわかってから、怪人さんご家族の生活に何か変化はありましたか?
そりゃもう何から何まで!
まずジョーイを地元の学区の自閉症児クラスに入れることになりました。まだ2歳を過ぎたばかりの我が子をスクールバスに乗せたときは涙が出ました。さらに、あちこちのセラピーセンターに電話して、スピーチセラピーや作業療法、ABAセラピーなどを申し込んだり、州の障害児認定の申し込みをしたりで忙しい毎日でした。
ジョーイが勝手に出て行って迷子にならないように、自宅にセキュリティーシステムをつけたり、裏庭にフェンスを建てたり、一部をセラピー用の部屋に改造したりもしました。ジョーイがまだ字が読めなかった頃は、絵カード(PECSといいます)を家のあちこちに貼り付けました。ジョーイのアレルギーが判明してからは、ジョーイにだけ特別食をつくったり。現在でも試行錯誤の毎日です。
どのように自閉症のサポートグループを見つけましたか?
学区で、自閉症児を持つ親を集めて月1回行われていたサポートグループの集まりに参加しました。
サポートグループの他のメンバーから学んだことはありますか?
診断が出た直後は、どこへ行って何をすればいいか全く分からない状態でしたので、経験者であるサポートグループのメンバーは最高の情報源でした。また、精神的にもつらかった時には、グループのみんなの前で号泣したこともあります。皆同じ道をたどってきた人たちばかりだから、支えになってくれて、的確なアドバイスをしてくれました。
2歳で自閉症とわかり、現在7歳にいたるまでの一番のご苦労はどんなことでしたでしょうか?
一番の苦労は、これは現在でも続いていることですが、周りの人たちの理解を得られにくいことでしょうか。
自閉症児は、見た目には全く健常児と変わらないので、単に「躾のできていないワガママっ子」という目で見られることが多々あります。
ブログの中の怪人さんは常にとても明るく前向きですが、明るさの原動力はなんでしょうか?
実は一時期(ジョーイが3歳の頃)鬱状態でした。ええ〜!?アンタが鬱〜??と皆に驚かれますが。鬱というのは自分も周りも巻き込んで不幸にしてしまう、とても恐ろしい病気です。鬱を脱出してからは、もうあの地獄に戻るものか!と天秤の反対側にしがみついております。
そんなワタシの明るさの原動力は・・・
ひとつ、物事を前向きに見ようという自分の主義。同じ状況なら楽しまにゃソンソン。ふたつ、逆境も冗談にして自分をごまかそうという試み。壊れた者勝ち。みっつ、何かやらかしてくれたら、ブログで暴露してやろうというもくろみ。
後ろ向きでいいことなんてひとつもありません。笑えば脳から何かハッピーなホルモンが出るそうですよ。だから、苦しいときほど笑うといいのです。
落ち込みそうになったら聴こう!怪人のおススメ3曲。「終わりなき旅」Mr. Children
「世界にひとつだけの花」SMAP
「365歩のマーチ」水前寺清子
日本の自閉症児を持つ親たちとの交流はありますか?
残念ながら、あまりありません。ブログで知り合った人たちとのコメントの交換くらいですねえ。
一つ違いの弟さん(5歳)のお兄ちゃんの障害への理解はありますか?
ジャックは、兄であるジョーイが「じへいしょう」という障害を持っていることは知っています。どこまで詳しく理解しているかはナゾですが、ジョーイは他の人たちとは違い、色んなことが出来ないし、時に奇怪な行動をするということは分かっているようです。例えばジョーイが訳もなく叫んでジャックをいらだたせるとき、「ジョーイは自閉症だからがまんしよう」と言えばたいていの事はガマンします。
私がジョーイに対し怒っているとき、「マミー、ジョーイはジヘイショウなんだから仕方ないでしょ」と逆にたしなめられることもあります。ジャックは、大きくなったら「自閉症を治す薬」を作るそうです。ちなみに、イチゴ、ブドウ、メロン味を予定しているそうです。ジャック、頑張ってな。
現在通うキンダー(?)でのジョーイ君へのサポートはありますか?どんなサポートですか?それに満足されていますか?
現在通っているのは、小学校(9月から2年生)です。中度〜重度の自閉症児があつまるクラスで、少し遠いのですがスクールバスで30分ほどかけて通います。普通児は指定された場所に行ってバスを待ちますが、障害児はバスが家の前まで迎えに来てくれるので助かります。
学校では、少人数のクラスに専門の先生が一人、アシスタントが数人ついており、生徒:先生(或いはアシスタント)の比率はほぼ1:1、悪くても 2:1です。スピーチの先生と作業療法の先生が週2回来て一人一人交代でセラピーをしてくれます。また、ジョーイは読み書きができるので、読み書きの時間には普通のクラスに行って健常児たちと一緒に学びます。そのときもアシスタントが一緒に行ってくれるので安心です。学校でのサポートには感謝しきれないくらいです。
(学校の事情は住んでいる場所によって大きく左右されます。私が住んでいるのはは全米でも屈指の障害児教育が充実した学区なので、アメリカの他の場所とは事情が違うかもしれません。)
障害者グッズのデザインをされているようですが、デザインを始めたきっかけは何ですか?
http://ok2bdifferent.blog98.fc2.com/blog-entry-95.html
こちらのブログ記事で書いたとおり、人からじろじろ見られても説明しなくていいように、ジョーイには「ボクは自閉症を持って産まれたんだよ」というシャツを、自分には「誇り高き自閉症児の母」というシャツを作ったのが始まりです。予想以上に周りからの反響が大きく、「ワタシにも作ってくれ」と頼まれたりして、じゃあネットで売り出そう!ということになりました。その後、自閉症だけでなく、色んな障害や病気を対象にデザインを広げていき、現在に至ります。
英語のデザインはこちらのお店から買えます。
http://www.cafepress.com/disabilitystore/2371315
日本語のデザインはまだ2種類しかないんですが・・・こちらのサイトです。
http://www.ok2bdifferent.net/japan.html
既に自閉症関連のボランティアを積極的にされているようですが、今後はどのような活動をしていきたいと考えていますか。
T-シャツの販売で得た利益の20%をAutismSpeaks.orgという自閉症の人のための非営利団体に寄付しております。自閉症ウォークやセミナーなどがあると、会場で出店して、T-シャツやジュエリーを売り、その売り上げを寄付したりもします。
あとは・・・ブログで自閉症のことをもっと知ってもらうこと・・・でしょうか。(これはボランティアとはいわんか。)
他の自閉症児の親たちへのメッセージがあったらお願いします。また自閉症児でないお子さんをお持ちの親御さんたちへのメッセージがありましたらお願いします。
自閉症児を持つお父さんお母さんへ。
アンラッキーだなんて思わないで。この子が自閉症で生まれてきたのはなにか意味があるのではないでしょうか。自閉症児は純粋です。ウソもつかないし、人を見た目で判断しないし、いつも駆け引きナシの直球勝負です。私はジョーイを育てながら、ジョーイから色んなことを学びました。家族の絆も深まりました。精神的にも鍛えられました。逆境をプラスに変えられるかどうかは、アナタ次第です。
自閉症児をお持ちでない方へ。
日本では、未だに「親の育て方が悪いから自閉症になる」という誤解が蔓延していると聞きます。その間違った見解を次の世代に受け継がせないよう、自閉症のことをもっと知ってください。
自分の身に置き換えて、想像してみてください。もし、ある日突然、言葉も分からない異国に放り込まれたら?紙やすりのような服を着て、砂のようなご飯を食べて、ガラスを引っかく音のする教室で宇宙物理工学を勉強させられたら?周りの人たちからは「怠けるな」「努力が足りない」といわれ、「ヘンな人」と仲間はずれにされたら?
気が狂いそうになりますよね。耳を塞いで逃げ出したくなりますよね。自分の世界に引きこもりたくなりますよね。
これは、極端なたとえ話ではないんです。感覚が混乱している自閉症の人たちは、それが日常なんです。アナタの子供が自閉症児に出会って、戸惑っていたら、自閉症がなんであるかを説明してあげてください。「ヘンな子」じゃなく、「可哀想な子」でもなく、「脳が配線間違いを起こしていて、混乱した感覚の中で一生懸命頑張って生きている子」です。
その他、なんでもありましたら お願いいたします。
自閉症のあるなしに関わらず・・・人と違っても、えーやんか!他の誰かとくらべるよりも、昨日の自分とくらべましょう。